「バイオダイナミック農法で果物を育てている時は大変な仕事ですが、地球に良い影響を与えてくれるので、その価値は十分にあります。
人生は短すぎて、まずいワインを飲む暇はありません。だから、私はできる限り最高のワインだけを造っているんです。」
Marco Lubiana Wines マルコ ルビアナ ワインズ
設立/2018年 Derwent Valley(ダーヴェントヴァレー)
オーナー/Marco Lubiana マルコ・ルビアナ
ワインメーカー(醸造責任者)・ヴィティカルチャリスト(ブドウ栽培責任者)/Marco Lubiana マルコ・ルビアナ
受け継がれる哲学と進化する個性
父・スティーヴ氏(ステファノ ルビアナ
ワインズ)がタスマニア初の認証済みバイオダイナミック・ヴィンヤードを実現したように、マルコ氏もまた、自身のルーシー・ヴィンヤードをバイオダイナミック農法で認証させ、この持続可能なアプローチを深く追求しています。彼らに共通するのは、「ワインは畑で造られる」という揺るぎない信念です。ブドウ畑の土壌の健康と生命力を重視し、ブドウ本来の力を最大限に引き出すため、ワイナリーでの介入は最小限に抑えられます。この共通の哲学が、ルビアナ家のワインに一貫した品質と深みを与えているのです。
しかし、マルコ氏は単に父の道をなぞるだけではありません。2018年に自身の名を冠した「マルコ ルビアナ
ワインズ」を立ち上げたことは、彼自身のビジョンと独立したワイン造りへの強い意欲の表れです。彼は品質を追求するため、タスマニアの冷涼な気候がもたらす恩恵を最大限に活かし、シャルドネとピノ・ノワールというわずか2つの品種に集中することを決断しました。これは、特定のスタイルを確立し、自身の専門性を高めようとする彼の確固たる姿勢を示しています。
タスマニアの好条件と若き才能の探求
マルコ氏のワインが生まれるルーシー・ヴィンヤードは、タスマニアの冷涼な気候という、ピノ・ノワールやシャルドネにとって理想的な好条件に恵まれています。これにより、ブドウはゆっくりと成熟し、酸味とアロマのバランスがとれたエレガントなワインが生まれるのです。さらに、バイオダイナミック農法による健全な土壌は、ブドウがその土地のテロワールを深く表現するための基盤となります。
もちろん、彼が父の長年の経験と知識を間近で学び、それを自身のワイン造りに活かせていることは、計り知れない強みです。しかし、マルコ氏はそれに甘んじることなく、ワイン醸造学の研鑽を積み、ワイン造りの本場ブルゴーニュでの研修を通じて国際的な視点と技術を吸収してきました。低収量、シンプルな醸造技術、最小限の硫黄添加、そしてろ過や清澄を行わないという彼自身の明確な醸造哲学は、父の教えを受け継ぎつつも、彼自身の個性をワインに色濃く反映させようとする真摯な努力の結晶です。霜や雨といった困難なヴィンテージにおいても力強いワインを生産してきた実績は、彼の技術と情熱が「親の七光り」ではない、本物であることの何よりの証です。
ステファノ ルビアナ ワインズについて
スティーヴ・ルビアナと妻モニークが1990年に設立した、タスマニアの家族経営ワイナリーです。ダーウェント・バレーの冷涼な気候を活かし、バイオダイナミック・オーガニック栽培の先駆者として知られています。
タスマニアワインの可能性を世界に示し、ロンドンの「International Wine Challenge」で最高峰のトロフィーも受賞しました。ピノ・ノワールやシャルドネを中心に、高品質なワイン、特にピノ・ノワールとスパークリングワインを生産しています。スティーヴ・ルビアナはワインメーカー兼ブドウ栽培責任者です。
商品名 | Derwent Pinot Noir(ダーウェント ピノ・ノワール) |
生産国 | タスマニア |
産地 | ダーウェントヴァレー |
ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
栓 | コルク |
ヴィンテージ | 2023 |
ALC. | 13.0% |
内容量 | 750ml |
希望小売価格 | 9,000円(税別) |
バーコード | - |
2023年はワイン造りにとって困難な年でしたが、マルコ・ルビアナが手掛けるこのダーウェント ピノ・ノワールは、早くも彼独自の個性を輝かせている魅力的な一本です。醸造学とブドウ栽培の学位を持つマルコは、難しい年を乗り越え、見事にこのワインを造り上げました。ラニーニャ現象の影響で例年より気温が低く雨が多かったのですが、病気の発生を抑え、ブドウを守り抜きました。
この2023年のピノ・ノワールは、異なる区画のピノ・ノワールをブレンドして造られています。メインとなるのは、ステファノ・ルビアナ・グラントン・エステート・ヴィンヤードのブドウです。そのうち20%は、2019年にマルコ自身が植樹した「クローズ・プランテッド・ヴィンヤード」と呼ばれる高台の畑で収穫されたものです。この畑のブドウを使うのは、今回が初めての試みです。残りの80%は、粘土と砂利の土壌を持つ、エステートの古木のブドウが使われています。このワインは、228リットルの樽で1年間熟成され、フィルターをかけずに瓶詰めされています。また、認証を受けたバイオダイナミック農法で育てられたブドウのみが使用されています。
ヒューオンとダーウェントヴァレーのブドウを使用しているため、このピノ・ノワールには野性味があり、チェリーや土の香り、そして土壌由来の繊細なミネラル感が楽しめます。果実味はフレッシュでしっかりとした力強さも感じられます。まさに、真剣な情熱と美しい個性が詰まったワインと言えるでしょう。