1847年のグルナッシュを代々守り続けてきたイタリア人移民。現在自分たちの葡萄を有名大手生産者へ売ることなく自社ワインとして復活させたガレージワイン、情熱の醸造家マルコ・チリッロ。

◆ Cirillo Estate チリッロ エステイト

 立/2003年 Barossa Valley (バロッサ・ヴァレー地区) 

オーナー・ワインメーカー(醸造責任者)/ヴィティカルチャリスト(ブドウ栽培責任者)/Marco Cirillo マルコ・チリッロ

チリッロ・ファミリーは世界中で最古と言われているグルナッシュとセミヨンの葡萄畑から産出するものをこれまで絶えることなく保持しています。葡萄の樹が植えられたのは「1848 年」これら葡萄の木々は単にバロッサバレー史の一部というだけでは無くオーストラリアワイン業界の遺産でもあります。チリッロは過去40 年間この偉大な遺産の管理者でありましたが彼らのワイン作りという財産は9 世代にも遡り南イタリア地方カラブリアに辿り付きます。しかしながら公の場において偉大な葡萄からリリースされるワイン、ファーストヴィンテージとなる「Cirillo1850 Grenache」は2003 年まで存在さえ知られていないものでした。

 

世界最古のグルナッシュ

葡萄畑は1 億年以上前に存在した太古の湖跡に位置します。土壌はシルト系の砂質がライムストーン石灰岩や粘土層の上を深く覆っており、葡萄畑(海岸から70km 内陸に位置)を散歩してみるとわかるのですが海岸のような砂が足の周りを覆います。剪定された古木のグルナッシュは木々がねじれた幹根を持つバスケットの様相で大きいものは6 フィートの高さで立ち上り、6 フィートの幅で広がりを見せています。この歳で生きている葡萄の木々に対して1 年を通して最新の注意を払う必要があります。マルコ・チリッロ(オーナー・ワインメーカー)は扱いに注意を払わなければいけない命にそれぞれの葡萄の木々を馴らし育成し、剪定等に自身の時間を費やしています。その結果として信じられないほど強烈な果実を古木が実らせるのです。古木で芳醇な葡萄というものはそれほど目にするものではありません。葡萄果実は通常産地の中でももっとも遅い収穫期を迎え、全て手摘みします。100%除梗(60%は破砕せず全房)した葡萄を開放漕の醗酵タンクに移送し15 ~30 日間の自然発酵(野生酵母)を行います。この期間はヴィンテージと葡萄の状態によって差異がおこります。

1850 OLD VINE GRENACHE

2009Cirillo Old Vine 1850 Grenache・チリッロ1850 古木のグルナッシュが生まれるのは、バッロッサヴァレーでも歴史ある町サイガースドルフ地区に位置し砂質の土壌で育っています。この単一畑は世界中、現存する最古のグルナッシュを生み出す畑と言われています。これまで葡萄は「エルダートン」、「ロックフォード」そして「トゥルブレック」へ供給しトップキュベに使用されていました。ダークベリーの果実、ドライハーブ、スパイス等の素晴らしいアロマ。味わいはミディアムからフルボディ、チェリー、アニス、白胡椒など非常に繊細な凛としたフレーバーを保ち、24か月ホグスヘッドのオーク樽で整えられ熟成した深い味わいを感じます。チリッロ・グルナッシュはオークによる味付けよりも品種の特性を抽出しています。タンニンは柔らかく余韻は長く深みがあり、主要因となる果実味と酸のバランスを繋ぐ間には継ぎ目のない美しいワインに仕上がっています。数少ないオーストラリアのグルナッシュワインとしてセラーで10 年を超えても称賛されることでしょう

HAND MADE

ワインは初期醗酵の間1 日に2 ~ 4 回ほど手で優しく醸します。醗酵が完全に終わると注意して800kg のバスケットプレス機に移送しタンニン、果実そしてワインの骨格となる全ての要素が仲良く交わるようコントロールします。それからヴィンテージによって差異はありますが60%フレンチオーク、40%アメリカンオーク(ホグスヘッド)にて24 か月寝かせます。それからワインに与えられる最後の24 か月を瓶内で貯蔵庫にて過ごした後リリースされます。現在マルコによって行われている沢山の伝統的な技術は幾世代にも渡るチリッロ家の手によって伝えられてきたものでした。一般的な果実味いっぱい、濃厚なグルナッシュとは異なり、「チリッロ1850 グルナッシュ」が表現する高い酸度と芳醇なスタイルに対しマルコは謝罪しません。このワインスタイルが1970、80 年代と彼の父親のワインスタイルに証拠づけられるように何十年にも渡りワインが生き続けることを可能にしています

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